市販のカレールーは危険 とする書籍、サイト等が多くあります。多くはスーパーマーケット等で広く販売されている固形ルーにカラメル色素が使用されており、更にカラメル色素の一部に発がん性があることを根拠としています。
そこで今回、一般的なスーパーマーケットに置いてあるメジャーな商品を製造している食品メーカー3社に、使用されているカラメル色素の安全性について問い合わせてみました。
結論としては、どのメーカーも4種類あるカラメル色素のうち最も安全な物質を添加物として使用しているようです。
一方で、市販のカレールーには乳化剤やグルタミン酸ナトリウム(うま味調味料、日本では「アミノ酸等」と表記されることも多い)などカラメル色素以外の添加物も使われており、むしろこちらが気になります。
本記事では市販のカレールーに使われている添加物についてまとめるとともに、無添加カレールーおよび添加物をほとんど使わないカレールーをご紹介しています。
昔いわゆる「理系」の勉強をしていましたので前半は少し詳細まで踏み込んでいます。細かすぎると思われる方は結論もしくはおすすめ安全商品の項目に飛んでお読みださい。
こちらの別記事もご参考にしていただけますと幸いです m(_ _)m
市販のカレールーは危険 ? 食べてはいけない ?
市販のカレールーの成分をチェックすると、必ず「カラメル色素」という添加物が記載されています。
市販のカレールーが「危険」「食べてはいけない」とする記事や書籍はほとんどの場合、カラメル色素の中に発がん性物質が多く含まれることを問題視しています。
カラメル色素は発がん性物質 ?
カラメル色素は食品や飲料の着色に日本で広く使用されている天然色素ですが、いくつかの物質をひっくるめて指す名称で、主にIからIVまでの4種類があります。それぞれの種類を簡単に解説していきます。
カラメル色素Ⅰ
カラメル色素Iは、糖類を加熱しカラメル化することによって合成されます。加熱により糖類が分解し、独特の茶色になります。手作りプリンに添える、砂糖から作るカラメルそのものですね。カラメル色素Ⅰは米国のFDA等にの機関に一応「安全」と評価されています。
何世紀ものあいだ各国の家庭料理で使われていることから推測しても、適量を消費する限りではカラメル色素Iに安全性の心配は特にないと思われます。
カラメル色素Ⅱ
カラメル色素Ⅱはカラメル色素Ⅰと似た方法で合成されますが、製造の過程で発色のためにアンモニア、硫酸などの化学物質を使用しており、発がん性が指摘されている4-メチルイミダゾールが含まれていることがあります。
ただしカラメル色素IIはそもそも日本で使用が禁止されているので、市販のカレールーにカラメル色素IIが使われる可能性は常識的にはなさそうです。
カラメル色素Ⅲ
カラメル色素Ⅲは、メイラード反応(加熱により糖とアミノ酸等を反応させ、褐色物質のメラノイジンなどを生成するプロセス)を利用して合成されます。2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾールという、免疫力低下作用や発がん性のある物質が含まれており、毒性のある物質です。
2023年現在日本で使用禁止になっておらず、念のため気をつけた方が良い物質です。
カラメル色素Ⅳ
カラメル色素Ⅳはマロン酸やアセトンなどの化学物質を使用して合成されます。このカラメル色素には、がんを引き起こす可能性のある2-メチルイミダゾールが含まれておりEUでは使用が制限されています。
残念ながら、こちらも日本では使用禁止になっていませんので気をつけたほうが良いですね。
I〜IVのカラメル色素の中で最も安全性が高いのは?
4種類の中で安心して食べられるのは、手作りプリンのカラメルと同じカラメル色素Iのみとなります。
カラメル色素の種類について食品メーカーに問い合わせ
カレールーでよく知られる大手食品メーカー3社に問い合わせてみたところ、以下の解答を得ました。
ハウス食品
回答:「すべての製品にカラメル色素Iを使用しています。」(公式ウェブサイトにも記載あり)
商品名:「バーモントカレー」「こくまろ」「ジャワカレー」「印度カレー」など
グリコ
商品名:プレミアム熟カレー
回答:「カラメル色素Iを使用しています。」
S&B
商品名:「ゴールデンカレー」「本挽きカレ
回答:「すべての製品にカラメル色素Iを使用しています。」
市販のカレールーは危険 なのか
カラメル色素について言えば過度な心配の必要なし
問い合わせた3社(グリコ、ハウス食品、S&B)とも安全性の最も高いカラメル色素Iを使っているとのことでしたので、カラメル色素について言えば市販カレールーが特に「危険」というわけではなさそうです。
市販のカレールーの添加物でむしろ心配すべきなのは乳化剤とアミノ酸等
市販製品のラベルを改めて見直すと、神経毒性のあるグルタミン酸ナトリウム(「アミノ酸等」)、血液をドロドロにし血管を傷つける乳化剤などが使用されており、カレールーが体に悪いことは確かです。
バーモントカレーなどのごく一般的な市販のカレールーには必ずと言っていいほどアミノ酸等(グルタミン酸ナトリウム)と乳化剤が使用されています。
絶対避けるべきスクラロース添加の市販レトルトカレー
レトルトのカレーには辛味を緩和するために遺伝毒性のあるスクラロースが添加されていることが多いため、よほどの状況でなければ避けたい食品ですね。
体に良いカレールー:おすすめ商品はこちら
一般的なスーパーマーケットでは流通していないことが多いのですが、無添加のカレールーもしくは添加物が少ないカレールーを作っているメーカーさんも存在します。以下の3商品は値段もそれほど高くなく(1パック300円~500円台)、個人的に自信を持っておすすめできます。
フード・スナガ FINE CURRY FLAKE
添加物を一切使わないフレーク状のカレールーで小麦粉・砂糖不使用、さっぱりしていて胃がもたれません。私が把握している限りでは安全性・コスパともにNo.1の商品です。風味も普通のメジャーなカレールーとほとんど変わらず、違和感なくこれまでのビッグブランドを置き換えることができます。
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時々、2セット購入で500円オフになるクーポンが発行されていますのでチェックしてみてくださいね。
オーサワ スパイス香るカレールー
酵母エキス(遺伝子組換えされた酵母が使われている可能性およびグルタミン酸ナトリウムと正体が同一ではないかという懸念があり、問題視する消費者もいる)が入ってしまってはいますが、乳化剤が使用されていないところに強い安心感のある商品です。こちらも小麦粉・砂糖不使用です。
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コスモ 直火焼りんごカレー・ルー
添加物としてカラメル色素Iしか使用していない良心的な商品で、固形ルーではなくフレーク状です。こちらは生協(COOP)でも取り扱っており、気軽に手に入れやすいところも魅力です。小麦粉は使用されていますが、300円台のリーズナブルな価格です。
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MOTHER VEGE CURRY FLAKE
本物の香辛料がふんだんに使われているだけでなく、ケールパウダー、米麹、海洋深層水も入っている栄養満点のカレーフレークですが、酵母エキスは使われています。栄養的にはおすすめですが、価格が高めなのがネックの商品。
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無添加カレールーとセットでおすすめの追加スパイス
添加物不使用もしくは添加物の少ないカレールーを使うと、味に物足りなさを感じる方もいらっしゃると思います。その場合はクミンパウダーを多めに追加して味に深みを出すのがおすすめです。さまざまなスパイスで試してみましたが、クミンパウダーが風味づけに最も効果的です。
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クミンの健康効果として以下のようなものが知られています。
- 消化促進
- 高血圧予防
- リラックス作用
まとめ
市販のカレールーに発がん性がある というわけではないようですが、安全性に留意した良質な商品が販売されていますので、できればそちらを選択するのがおすすめです。大手食品メーカーの一般的な市販カレールーよりは若干高めになりますが、数百円で健康への投資ができます。
ちなみに今回調査したカラメル色素よりもずっと恐ろしいのは人工甘味料スクラロースです。子供たちが頻繁に食べるような加工食品、スナック類、飲料類にも含まれていますので、買い物の際に気をつけなくてはいけません。詳しくは別記事もご参照ください。
香辛料でデトックスするなら、マサラティー(マサラチャイ)もおすすめです!
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