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2023年 シリコンバレー銀行破綻の経緯 超簡単なまとめ

シリコンバレー銀行破綻の経緯 世界の情報
シリコンバレー銀行破綻の経緯

シリコンバレー銀行破綻の経緯 を超簡単にまとめています。2023年3月に破綻したシリコンバレー銀行(SVB)は長年にわたり米国のベンチャー企業の味方でした。こちらのまとめを読めば、専門知識がない方でも流れを掴めます。

元々はベンチャー企業の心強い味方だったSVB


1983に創業されたシリコンバレー銀行(SVB)はテック系ベンチャー(スタートアップ)に特化した地方銀行で、米国のテック系ベンチャーのおよそ50%に利用されていたそうです。

投資リスクを敬遠してベンチャー企業に簡単には融資しない金融機関も多かった中、SVBはいつもベンチャー企業の味方でありお友達でした。

ベンチャーさん:

事業資金が必要なんですが、貸してくれませんか?

シリコンバレー銀行:

もちろんです!いくら必要かおっしゃってください。

いつも助けてくれてありがとう。

ベンチャー投資からの大量の預金が低金利米国債に

2010年代後半から2021年頃にかけて、世の中はベンチャー投資ブームでした。低金利だったため、お金からお金を生んでくれそうな最新のビジネスアイディアを持った事業家に投資をしたがる投資家が多かったのです。それまではベンチャー企業に手を出そうとしなかったような堅物系の金融機関までベンチャーキャピタルに挑戦し始めたのがこの時期です。

投資家さん:

今ってどうせ低金利なので、時間はいくらでもかけていいから私のお金を使って良いビジネスを作って収益化してくださいね。

ベンチャーキャピタルによる投資以外にも、新規株式公開や買収などで巨額のお金が動いていました。米国の多くのベンチャー企業が、その際に手にしたキャッシュをSVBに預けました。

ベンチャーさん:

SVBさん、投資家さんからお金どっさり受け取ったので預金させてください。

シリコンバレー銀行:

今の利子ほぼ0ですけど、それでもよければどうぞどうぞ。

ベンチャー投資ブームのさなか、投資家から豊富な資金を受け取ることができたベンチャー企業には銀行からの融資へのニーズはありませんでした。結果として、企業からSVBへの預金は増えてもSVBから企業への融資はたいして増えませんでした。

繰り返しになりますが当時は低金利時代。SVBは、企業への融資に変わらなかった多額の預金を、安全だけれど金利ほぼゼロの長期米国債として保有しました。

金利引き上げでベンチャー投資が下火に

ご存じのように、2022年から世界ではハイパーインフレが起こっています。

経済学的にはインフレが起こったら利上げにより世の中に出回っているお金を回収することになっており、定石どおりに米国連邦準備銀行は金利を徐々に3%まで引き上げました。

投資家さん:

金融資産から3%の利益を得られるようになったので、すぐに収益化しないベンチャー投資は割に合わないんだよね。

金利が上がると、投資家のベンチャー投資へのモーチベーションは一気に下がりました。

ベンチャーさん:

これまでは投資家さんが次々と渡してくれるお金でオフィス家賃や人件費を払っていたけど、今後はSVBに預けてある預金から支払います。

従業員の給与も含め様々な固定費を支払うため、SVBに口座を持つベンチャー企業が次々と預金の引き出しを始めました。

米国債の投げ売りで大損失、顧客は大パニック

これに対応するため、SVBは保有していた低金利米国債を売り払って18億ドルの損失を出しました。金利3%の国債を買える状況でゼロ金利の国債を買い取りたい人などいるわけもなく、投げ売り価格でしか引き受けてもらえなかったのです。

SVBが多額の損失を出したというニュースが顧客企業の間にパニックを引き起こし、不安になった企業は次々とSVB口座から預金を引き出し始めました。銀行の支店に並ばなければ預金引き出しができなかった昔とは違い、今はオンラインでポチッと資金を移動させられる時代。48時間であっという間にSVBは破綻してしまいました。

まとめ

  • 低金利で投資家のベンチャー投資へのモーチベーションが爆あがりだった頃、多くのベンチャー企業が投資家から受け取った資金をシリコンバレー銀行(SVB)へ預けた。
  • 投資家がベンチャー企業に札束を投げつけている間はSVBによる融資の出る幕はなく、SVBは預けられたお金の多くを低金利国債として保有した。
  • インフレで金利が引き上げになると投資家のベンチャー投資への意欲がダダ下がりになった。
  • 困ったベンチャー企業はSVBに預けていた預金を引き出し始めた。
  • 回転の早いローン資産を持っていなかったSVBは、保有していた低金利国債を投げ売り価格でキャッシュ化し多額の損失を出した。
  • 損失のニュースが不安を呼び、次々とSVB口座からパニックに基づく預金引き出しが起こり、SVBはあっという間に破綻してしまった。

こんな経緯のようです。

米国がこれまで刷りすぎてきたお金の行きどころがなかった故のベンチャー投資ブーム、そして金利引き上げによるブームの終焉がSVBの破綻のキモだったのですね。

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